土方が帰国者を決めている数日で爆発的なコレラが流行した。


優輝菜は予め飲み物や食べ物には注意していたが……防ぎ切れなかった……。


電解質の材料、水1リットルに対して、ブドウ糖 20g、塩化ナトリウム3.5g、炭酸水素ナトリウム2.5g、塩化カリウム1.5gの割合で溶解したものを点滴で体に流し込む作業に追われた。


勿論、清軍、李朝朝鮮、台湾の村人にも分け隔てなく治療をする。


それが日本人なのだ………。


確か……曖昧だったが、日清戦争での病死は4万人。


完全隔離で最小限に抑える


幸い幹部は誰一人感染していないが、マスク着用を義務付けた。


土方にも10日は会っていない。


外界とは完全にシャットアウトし、日本に隔離病棟と、電解質を大量に作るよう伝えてもらい、コレラから完全勝利した兵士達から帰らせた


優輝菜はひたすら電解質を作り、軍医はそれを点滴で流し込む


優輝菜は帰国者一軍に、点滴が足りなくなるから、優輝菜の父に大量補充を頼み、10日後に持って来てもらえるよう伝えた


点滴は回して使えないからだ


台湾や、李朝朝鮮でも、点滴を作ってもらい、10日をしのがなければならなかった……。衛生的に不安しかないが、いち早く嘔吐や下痢の苦しみから救ってあげたい……。


それでも、亡くなる患者は多く、心が折れそうだが、泣いてる暇もない。


寝る暇も食べる暇もない。


今、4国の頼みの綱は……優輝菜しかいない………。


使える兵士には大量のポカリを作ってもらい、比較的軽い患者にはポカリを飲ませている


ロベルトコッホ様様だ………。


コレラ菌も結核菌も発見してくれてありがとぉーーーーーー!!!


一人でも多くの命を救う事が最優先。


そして、軍医が倒れたら困るので、ポカリを飲ませて何とか仕事をしてもらっている


疲労困憊の兵士達の感染率は高く、電解質を作っても作っても足りない。


軍医達も電解質を作れるようになり、幹部達が点滴を打つようになった


優輝菜「歳……。私は日本には帰れない。歳だけでも子供達に会って来て」


土方「俺ら幹部も残る事に決めた。」


優輝菜「歳が感染したら……私は平静ではいられない。頼むから歳は帰って……。」


土方「兵士が苦しんでんのに帰れるかっっっ!!!」


優輝菜「点滴が足りないの……。お父さんに貰って来てっっっ!!!」


土方「……………………………。」