生きてさえいれば【遅すぎる】なんてことはない。





玲菜のこの言葉は…亜紀が入院していた病院の屋上で会った医師も言っていた。


「俺…その言葉…亜紀さんが入院していた病院で、全く同じこと言われたんだ。」



「え??誰に??」



「偶然屋上で会った医師に……。」



「実を言うとね……私もある人の受け売りなのよ。」



「誰それ……?」



「……私の憧れてる【鴻上梨花】さんよ♡」



「へぇ~~……。

そう言えば…その医師も【鴻上】っていう苗字だったな……。

まぁ…男の人だったけど…。」



「まさか旦那さんだったりして(笑)

なんて偶然…あるわけないよね!

漫画じゃあるまいし…。

それに…旦那さんはニューヨークに居るはずだもん!日本に居る訳ないって。」



「えっっ!?ニューヨーク!?」




本当に…本当に…漫画のような偶然が起こったのかもしれない…。


そうして…玲菜と笑い合いながら…俺の家に向かった。