『好きな人は！？』
明里のその言葉に
『居るよ、可愛い子。本人は気づいてないけど』
居るんだ。
爽やか笑顔の勝浦さんは
明里にそう言うと私を見てニコッと微笑む。
その笑顔にドキッとしてしまった私は
鶴谷くんに言われた言葉を思い出す。
あの人は好意を持ってる
自意識過剰だよね、そんなの。
『それはズバリ！会社の中にいます？』
『ハハハっ、んー。かもね』
『私の知ってる人でしょうか！』
『それはヒミツ。』
一人で質問して一人で興奮してる明里は
楽しそうでどうにか聞き出したいみたい。
私は聞きながらもしかして
自分のことかもしれない、なんて自意識過剰なことを
考えては消して、、勝浦さんの好きな人
を、誰なんだろうと考えた。
『あ、筒村。』
いきなり名前を呼ばれ
二人で話してたはずの勝浦さんを見る。
『今日、ちょっと時間ある？』
『え、あ、はい。』
そう答えるとまた連絡入れるといって
戻っていかれた。
