『なっ、ばか!?』



ついそう言ってしまった。


いや、言うわよね!

だって抱きしめていいか
なんて、いきなりそんなこと言う?




『ばかでいいっすよ、だから抱きしめさせてください』



今度はさっきまでのお調子者の笑い方何かじゃなくて
じっと目を見て言ってくる。



そんな、、


真面目に言われたって、、



鶴谷くんの真面目な表情におされそう
になる私。   


『ね、しのぶさん。昨日の先輩だっけ?彼氏?』  



そんなこと言いながら
ソファに座る私にゆっくり
と近づいてくる。


『えっ、違うわよ、た、ただの元指導担当の先輩で』


だんだん近づいてくる鶴谷くん。



二人だからかカラオケルームは小さめ。


それに薄暗い。