次の日も
そのまた次の日も
休みを挟んでまた次の日も
相変わらず鶴谷くんは
会うたんびに、アプローチ?
をしてくるようになって
からかわれたり
前みたいに囁かれることはないにしろ
かわいい
だとか
ご飯行きませんか
だとか
とりあえずしつこいくらいに
私へと関わる。
本気か冗談なのかなんて
私にはわかるはずもなく
そんな、鶴谷くんだらけの毎日が
続いてた。
そんなある日
いつものように一足先に出て
いつものように会社の前で待ちぶせ
してる鶴谷くんが居なかった。
習慣とは怖いもので
周りをキョロキョロと見わたし
探してる自分がいた。
あれ、私なんで探してんの!
冷静になって、帰ろう!と足を動かして
バス停を通り過ぎようとした時。
『だからねーこのバスを乗って3つ目!そこで降りて乗り換えるの!分かる?』
鶴谷くんの声。
周りを見渡すとバス停の前で
おばあちゃんに紙を見せながら
なにやら説明してる鶴谷くんの姿。
おばあちゃんはふむふむと
聞いてるけどイマイチ分かってないご様子。
鶴谷くんはウ~ンと頭を掻いて
クルッと会社の方を見る。
見つからないように
電柱のそばに反射的に隠れた私。
じっと、見てると
おばあちゃんの方を向き直った鶴谷くんは
『よし、おばあちゃん。俺もついてくよ、なら安心でしょ?』
そう笑顔で言って持ってた紙をポケットに入れる。