『あ、そうだ。』




思い出したように言う鶴谷くん。



ん?


と聞くと、



『ごめんねしのぶさん。一つ隠してたことがあった』



そう言った。




隠してたこと?




申し訳なさそうに切り出したのは




『実はさ、初めてしのぶさんにキスしたのってあの日じゃないんだよ』



そんなことだった。




でも私の頭はハテナだらけ、



だって、他にキスした覚えなんてないもの。