一瞬。
唇が離れて鶴谷くんがものすごく近くで
私を見つめる。
その目にドキッとして
頭から足の先までゆでダコみたいに
火照ってる私はまた、鶴谷くんにキスをされる。
何度も何度も
逃してくれない鶴谷くんのキスを
次第に受入れてしまってる自分がいる。
もう他に何も考えられなくて
ただただ熱くなる身体。
やっと離してくれた身体は
また鶴谷くんの方へと引っ張られ
今度はすっぽりと腕の中に抱きしめられてる。
『しのぶさんがあの人と付き合ってるからって俺、諦めないから。そんな簡単な思いじゃないから。』
そう言って今度こそ離れた体。
鶴谷くんは最後にもう一度私を見つめると
駐車場から出て行った。
私はただ、ボー然と
鶴谷くんとのキスの感覚が残った唇に
指を当てて
ひどい胸のドキドキを落ち着かせた。