冷たい目で私を見下ろして


私の言葉を待ってる。




今まで何度か視線を逸らされたことは
あったけど


今回はまっすぐ見つめられてて
尚かつ冷たい視線。



ギュッ


と胸が締め付けられる。



『言わないってことはそうなんすね。俺、からかわれてたんじゃん』



空笑いをしてる鶴谷くん。



『違うよ?違う、、』



慌ててそう否定したんだけど



『嘘。隠してたんだ?』



『だから付き合ってはない、、』



『へー。付き合ってないのに大人しく抱きしめられてんの?』


その一言にどう返事をしたら
分かってくれるのか

どう言えば誤解をといてくれるのか


酔が覚めた頭で、必死に考えた。



沈黙が続き周りの通行人や
マンションの住民の人からチラチラ
見られる。



『こっち来て』



それに気づいた鶴谷くんは

マンションの駐車場の隅へと
歩いて行く。

まばらに止まってる車の影で
きっと通行人には見えないだろうって位置。



駐車場のブロック塀にもたれかかる鶴谷くんは
さっきの場所より光が当たらなくて
表情が見えにくい。



『ねぇ、しのぶさん。俺本気だって言ったよね』



うん。


そう頷く私。



『あんなの見せられて俺、普通にしてれるほど大人じゃない。すっげー腹立つしすっげー悔しい。』



俯きながらにそう言う鶴谷くんの言葉に
ズキッと胸が痛くなる