『ちょっ、筒村ふらふらしすぎ。家まで送るわ』



『そんなの大丈夫ですよぉ~っ』



そう言いながらも
足元は少しふらついてしまう。


そんな私の腕を掴んで
タクシーを止め乗せられる。


そして
あまり遠くない場所にある私の
マンションから少し離れた場所で止まるタクシー。


そして
タクシーから降りた私と勝浦さん。



勝浦さんはタクシーに少し前の方で待っててください
と一言そう言って私に向かって



『こんなこと最後だからごめん』


そう言ってフラフラしてる
私の体はギュッと抱きしめられた。



あ、私抱きしめられてる?



ボーッとしたままの
頭では理解するのに少し時間がかかった。



『俺が好きだったことは忘れないでな』



そうポンっと頭に手を置かれて
そう囁かれたと同時に体が離れる。



『じゃあな、明日仕事遅刻しないようにな』


そう言って待たせてあるタクシーへと
足早に向かって帰って行った。