中へ入るといくつかの大きなベンチが並んでいた

人が1人余裕で寝っ転がれるほど大きなベンチに舜が座ったので、
その隣に自分も座った。

――数秒の沈黙
すると突然舜が抱きついてきて、一言
「眠い」
びっくりよりも、抱きつかれたことによって
過去のフラッシュバックが襲ってきた。
震えるのを必死に我慢して
心を落ち着かせた。

そしてあたしも舜の背中に手をまわした。

大丈夫、相手はあいつじゃない、大丈夫。
自分に言い聞かせるように

「空」
名前を呼ばれてすこし体を離すと
真剣な顔をした舜がいた
「ん?」
首を傾げなから訪ねると
顔が近づいてきた
あ、キスされるんだ
そう思ったら頑張って堪えていた恐怖が一気に沸き上がってきた。

次の瞬間あたしは舜の肩を押してしまった。

「あ、ごめっ」
咄嗟に謝ると
「嫌だ?」
と心配そうに覗き込んでくる舜
「ちが、く、て」
ダメだ、上手く話せない
きっとすごくあたしは震えていた
舜はまたあたしを抱き締めて
背中を擦りながら
「ごめんな…」
と小さな声で呟いた

違う、舜はなにも悪くないのに


あたしはなにも変わってない、

最低だ。