弱虫で、ちっぽけなあたしでも、玲汰先生の役に立てたんだって思えて。






 でもね、玲汰先生。



「あたし、も……玲汰先生、ありがとうっ……」


 あたしは玲汰先生に抱きついた。





 あたしだって、玲汰先生のおかげで変われたんだよ。



 独りぼっちの闇から、貴方が救ってくれた。


 ただ、自分を責めることしか出来なかったあたしを。

 ただ、後悔してばかりだったあたしを。







 玲汰先生はあたしを抱き締め返してくれた。


 そしてあたしの頭をポンポンッと軽く叩くと、

「泣き虫」

 なんて言って意地悪に笑う。




「……うっさい、バカ」


「あ゛?」



 あたしはそっと、玲汰先生から離れる。



 そして目を合わせると、

 あたし達は笑い合った。










 ねえ、玲汰先生。