合鍵を使って中に入り、あたしはいつものようにリビングへと向かう。


 リビングには明かりが点いているから、玲汰先生も家に帰って来ているみたいだ。




「ただいまー」


 そう言いながらリビングのドアを開けると、

「おお、おかえり」

 ソファに腰掛けてテレビを見ていた玲汰先生があたしの方を向き、そう言った。



「ご飯、作るね」

 あたしはスーパーの袋を顔の前まで上げた。

 玲汰先生はコクッと頷く。


 あたしはそれを見ると、キッチンへ行き料理を始めた。



 今日の晩ご飯は、豚の生姜焼き。

 これは玲汰先生のリクエストだ。


 初めて作る料理だから、レシピを見ながら丁寧に作った。




「はい、お待たせ」


「ああ、ありがとう」



 豚の生姜焼きを持ってくると、玲汰先生は机の上を軽く片づける。


 空いたスペースに豚の生姜焼きとその他諸々を置くと、あたしは玲汰先生に箸を渡して自分も箸を持った。



「「いただきます」」


 あたし達は同時にそう言って、ご飯を食べ始める。