「美和。美和の気持ちを知らなかったとはいえ、美和を傷つけたこと、本当に悪かったと思ってる。……ごめん」


 あたしは頭を下げる。




 美和から聞いた真実は、心が痛くなる悲しいものだった。


 美和を、傷つけてしまった。

 噂を流されたことは悲しかったけれど、あたしはその分、いやもっと美和を傷つけていたんだ。


 謝らなければいけないのは、あたしの方なんだ。











 そのまま、静かな時間が流れた。

 一言も喋らないあたし達。


 だけど、きっと……



「やり直そっか、あたし達」


 急にそんな声が耳に入り、あたしは顔を上げる。


 そんなあたしの瞳に映った美和は、優しく微笑んでいて。

 涙腺がつい、緩まってしまう。



「今もまだ、宮城先生のことが好きだけど……でも、千夏のこと、大切だから。いっぱい傷つけちゃったけど、もし良かったらあたしと……仲直り、してくれないかな?」


 美和は微笑んだまま、涙を頬に伝わせた。

 あたしも涙を流す。



「……っ、当ったり前!!」


 あたしは、美和に勢いよく抱きついた。