自然と口から零れた言葉だった。
美和は、やっぱり優しい人だ。
やっぱり、大切な親友だ。
あたしへの罪悪感からあたしのことを避けていた、なんて。
美和は、当たり前のことをした。
普通、あんなものを見てしまったら校長とかに言うだろう。
だから、美和は何も悪くない。
何も悪くないのに。
あたしの気持ちを、考えてくれていたんだ。
ねえ、やっぱり誰よりも大切な友達だよ。美和は。
「まさかっ……!あたしは、千夏を嫌いになったこと、一度もないよっ……なのに、ごめんね。大切な親友、なのに。ごめんっ……千夏を、傷つけ、て……本当、最低、だよね」
「……ううん、あたしも黙ってた……から。…ねえ、一つだけ、いいかな?」
あたしがそう言うと、美和はあたしの目を見つめた。
それが答えだと思ったあたしは、一つ、ずっと気になっていたことをそっと口にする。
「どうして美和は、裏切られたって思ったの?嫉妬って、どうして?」
美和は視線を落とす。
そして、核心を突く質問だったのか、美和は考えるように黙り込んでしまった。
あたしはそんな美和を見守る。
美和が話してくれることを、ただ待ちたかった。
美和は少しして、何かを決意したように軽く頷き、あたしの顔を真っ直ぐ見つめた。
そして、
「……あたしね、宮城先生のことが、好き、なの……」