突然のことに驚いてしまうあたし。
「あ、の……玲汰、先生?」
「ごめん。つい……抱きしめたくなって」
「えっ」
カアッと顔が熱くなるのが分かった。
玲汰先生はそんなことを言う人じゃないから。
そして、あたしは自分の気持ちに気付いているから。
「お前の話の途中なんだけど……なんか色々戸惑ってて。まず、会えたことが、すっげぇ嬉しい……」
「っ///」
思わぬセリフに、あたしの胸の鼓動は速まっていくばかり。
「……俺、林田と学校で会うだけの関係になって、実は悲しかった。お前だけだったからさ、本当の俺を知ってるの。……いや、理由はそれだけじゃないかな」
「れい、たせんせっ……」
「俺、もう幸せだよ、きっと。お前が俺の家に初めて来た、あの日から。本当は、幸せだったんだ」
玲汰先生の優しい声が、あたしの涙腺を緩くさせる。
「お前は俺のおかげで変わったって言ったけど、俺だってお前のおかげで……変われた気がする。ありがとう、林田」
玲汰先生はそう言って、あたしを抱きしめる腕に力を込めた。
また、自分の思いを確信する。
ねえ、玲汰先生。
あたし、ね……