走りながら、考える。


 玲汰先生に会ったら、なんて言おうか。

 どうこの気持ちを言葉にしようか。



 胸が、高鳴っていく。





 あたしを変えてくれた玲汰先生。


 彼にも変わってほしい。

 幸せに、なってほしい。


 押し付けがましいかもしれないけど。



 この、優しくて温かい気持ちはなんなんだろうか。

 玲汰先生を想うとき、いつもこんな気持ちになる。



 玲汰先生は、あたしにとって特別な人。


 それは、あたしを変えてくれたから?

 いや、違う。



 玲汰先生と関わらなくなってからも、ずっとずっと変わらなかった想い。

 あの時も、あの時も感じた、トクンッという心音。


 それが意味しているもの。



 きっと、あたしは……。





「ああ、そっか……ハァ……簡単なこと、じゃん……」



 やっと、気付いた。


 ……懐かしい感情だ。

 いや、前よりももっともっと深い感情だ。


 だって、今まで経験したことがないほど、大きく温かい想いで溢れてる。