いつも思うけど、亜美子って買うパンの量が多い。
私は食べれても2つなのに対して、亜美子は今日4つも買ってた。
まぁ今全部食べるわけじゃないんだろうけど…って亜美子の方を見る。
ベンチには空の袋が2つ置いてあった。
目線を上にやると、亜美子が幸せそうにパンをほうばってる。
とっくに3つ目のパンに突入していたみたい。
苦笑いしながら私もパンをかじる。
その時ちょうど放送が入った。
キーンってマイクの音が流れて思わず耳を塞ぐ。
この音嫌い。
私だけじゃなくて、潤も耳を塞いでいた。
亜美子は相変わらずパンを黙々と食べてるけど。
別に昼休みの放送なんて珍しいことじゃない。
だいたいは部活の呼び出しが多い。
だから部活に入ってない生徒は滅多なことじゃなければ呼び出されたりしないんだ。
『呼び出します。2年6組、相馬亜美子、高梨花、至急化学準備室まで来なさい。繰り返します…――』
予想もしない呼び出し。
まさか自分たちが呼ばれるなんて思ってもみなかったのに!
声は間違いなくおじいちゃん先生だし…。
また課題か何かかな…。