「花?」


潤が私の顔を覗き込みながら名前を呼んだ。


「どうかした?」


「ううん、なんでもない。なんかボーッとしてた。ごめんね」


笑って答えると潤はホッとしたように息をつく。


いけないいけない。


折角遊べる日なんだから、楽しまなくちゃ。


カラオケに着くと、店員さんが二階の部屋まで案内してくれた。


久々のカラオケはなんだか緊張する。


だって今まで以上に下手になってたらどうしようとか、唄うタイミング間違えたらどうしようとかって考えちゃうんだもん。


そうなったら恥ずかしいじゃん。


私たちは順番に曲を入れて唄った。


懐かしい曲はみんなで唄ったりして室内は異様な盛り上がりを見せる。


やっぱりこうやって友達と遊ぶのって楽しいなぁ。


別に学校が嫌いなわけじゃないけど、休みの日に友達と遊んでる方が好き。


勉強しなくていいしね!


私と亜美子は理数系で、潤だけ文系の授業を受けてる。


二人は進路のために選んだけど、私の場合は英語の授業をあんまり受けたくなかったから。


理数系の方が英語の授業が少ないの。


だから理数系にしたのに、化学が思わぬ落とし穴だった。