待ち合わせ場所に着くと、亜美子と潤が待っていた。


「花遅いよ~」


「ごめん、バスだったから。走るの疲れる~」


私が言うと二人して笑い始めて、私も一緒に笑った。


横一列に並んで喋りながらカラオケに向かう。


この三人で遊ぶのは本当に久しぶり。


昨日、大槻先生に家まで送ってもらったって潤に言ったら羨ましがってた。


潤も大槻先生ファンだから。


私たち二人は誰がカッコいいとか話すけど、亜美子だけは何故か話に乗ってこないんだよね。


興味ない訳じゃないんだろうけど。


「そう言えば、大槻先生は煙草吸わないって。車の煙草の匂いは先生の友達が煙草吸うからだって昨日言ってたよ」


「へぇ~」


亜美子の言葉に私と潤は声を合わせた。


先生が吸うわけじゃないのに、車の中だけ煙草の匂いがするのって先生は嫌じゃないのかな?


もう慣れたとか?


大槻先生の友達ってなんか気になる。


あんなカッコいい人の友達ってどんな人かなって。


そう思ったら頭の中に昨日の名前が浮かんだ。


[泉堂央]って名前。


なんて読むかはわからないけど漢字だけはちゃんと覚えてる。