「なぁ、まだ聖奈を殺さないでくれよ…
聖奈だって生きたいって思ってる、
助かる方法はないのか？なぁ頼むよ…
聖奈をまだ殺さないでくれよ…っ」
必死に頼むが医者は首をふるばかり。
「えりかさんごめんなさい…俺が、俺があんなことしたから…あんなことしなかったら聖奈は…！」
そうだよ俺がもともと式をあげなきゃ聖奈は生きてたかもしれないのに。
するとえりかさんは俺の肩に手をおいて泣きそうな目で言った。
「叶斗くん自分を責めないでちょうだい。結婚式、挙げてくれて良かったわ…
聖奈、あんなに幸せそうな顔して…ウィデングドレスきるのは夢だものね…
もし式をあげてなかったら聖奈はあんなに幸せな思いをできなかったわ。聖奈に思い出を作ってくれて本当にありがとう…」
涙目でえりかさんはにこりと笑った。
一番辛いのはきっとえりかさんだろう。
大事な夫と娘を失って…
えりかさんは強い。
