「あのね」 あたしは落ち着いて話した。 「あたしの余命はあと半年もないかもしれないの」 「え…」 嘘だろ?と言いたげな顔があたしを見つめた。 一瞬もそらさず叶斗くんをみつめる。 その姿勢から事実だということを悟ったのだろう。 「そうか…聖奈、言ってくれてありがとな」 少し弱ったような笑顔であたしの頭を撫でてくれた。 落ち着く、叶斗くんの大きな手。