「んじゃ…俺はこれで…」



帰ろうとしたその時、


「ねぇ、あたし黒石くんと付き合ってないよ」




…えっ?



「だってさっき抱き合ってたじゃ…」


あ、

そいえば北原を引き剥がすとき、北原の手は黒石に絡んでなかったな。



「あたしは黒石くんの告白を断ったし、あれは一方的だよ。
あたしはあのあともずっと白峰くんしか好きじゃないよ!」


そう言って北原はニコッと笑った。