「ほら、後ろ乗って」

私は自転車の後ろに乗る。

「スピード出すから

しっかり捕まってろよ?」

「うん…っ…」

私は一条くんの

背中にぎゅっと

抱きつく。

一条くんの背中は

温かくて心地良かった。

風がすごく気持ちいい。

「岡田、着いた!」

私は顔を上げて

辺りを見回す。

私の目の前に

広がるのは綺麗な海。

すごく綺麗....。

「こんな場所あったんだ...」

私は小さく呟く。

「ここ、俺の秘密の場所。」

「秘密の場所...?」

私が聞くと一条くんは

優しく笑う。

その笑顔に

胸がキュンとした。