隣を通り抜けていく車の音。
どこかから聞こえてくるみんなの声。
吹奏楽の演奏も聞こえてくる
いま、二人で騒ぎながら帰ってるわけでもなく、
ただのんびりと歩いてる。
まだ2月だから少し冷たい風が
首もとを吹き抜ける
そしたら、隣の寒がりな日向は
紺色のマフラーに顔を埋めるようにする。
『はぁ~……寒いな今日も。』
笑いながらこっちにいってくれる
『寒いね……。
そういえば、マフラー新しくなった?』
クリスマスにあったときはたしか、黒のマフラーをしていた日向
『ん……?あぁ、少し毛糸がほつれてきてたから、新しいのくれた。』
『おばさんが?』
『……そ。これ編むの、ほんとに一瞬だよ(笑)』
『すごいね……私も今度習おうかな……』
白い息を少しはきながらそういうと
『……結奈も器用だからすぐできるよ。』
同じように白い息をはきながら、答えてくれた。
『ね、今日は去年より荷物少ないね。』
『……まぁ。』
去年はいろんな色の紙袋をたくさん持ってたのに
今年は、茶色の紙袋ひとつだけ。
『これは、七瀬とマネージャーから。
ま、嫌な予感がするから食べたくないんだけど』
紙袋をみながら苦笑する日向。
『嫌な予感??』
『ま、日頃言い合ってることを考えると、
…………まともなもんじゃない気がする』
そっか。よく口喧嘩……っていうか、なんていうか
言い争いになってるもんね
けど、毎回、内容が小さすぎて誰も気にしてない
『……でもなんでひとつ?』