『ん……んーん。
あ、あとで渡しにいく……』


へへって、少しうつむきながら笑う


『ほらっ……毎年のこと……でしょ?』


『けどさ』


『????』


『それは日向もわかってると思うけど、
今年はさ、あいつさ結奈の彼氏なんだし、普通に渡してみたらいいと思うけど。』

そういって、結奈の方を見るけど、
すぐに目をそらされる


今年はお互い進展したんだし、周りの目なんて気にする必要はないと思ったんだけど……

やっぱ厳しいかな


『……ね……あの…ね。
これ。』


手提げから出てきたのは、小さな薄緑の紙袋。
さっき、俺が受け取ったのと色違い。


『ちゃんともってきてるじゃん。』

ちょっと笑いながら言うと


『……まだ……いるかな』


『いるよ。結奈が残ってるって知れば待ってるだろ』


『わ……わたし!いってきます!』


そんな姿を見てすこしわらってしまう

『ん!いってこい!』


また一歩ふみだすために。

その背中はいつだって押してやるよ。