はー、どうせ花恋の彼氏自慢が始まるなーとため息をついて、顔を上げた瞬間、目の前に顔があった。

「うわっ」

私が大きく声を上げたので、周りが一斉にこっちを向いた。

そんな周りに笑顔で、何でもないよという顔をして、その顔の人に話しかけた。

「何。何もないなら戻って、涼。」

この、ちょっかいをかけてくる奴、この人の名前は、坂下 涼(さかした りょう)。

涼は、顔がまあまあ良くて、性格が良いので、女子からも男子からもモテる人気者。

何でこんな地味な私に絡んでくるかというと、保育園の時からずっとクラスが一緒で、出席番号が前後で、隣の席になったり、ペアを組まされたりするので仲が良いのだ。