「花恋おはよー!今日も可愛いね!」
私の学校生活はこのあいさつから始まる。
私たちの通っている高校、桜庭高校の2年生は男子120名、女子110名で成り立っている。
2年生は全部で6クラスあって、1クラス約33名。
私のクラスは1人多くて34名。
ついでにいうと、2年4組。
学年の男子の3分の2の人は花恋のファンなので、約80名は花恋の味方ということになる。
つまり、クラスにすると、男子18人、女子16人なので、男子の12人は花恋の味方だ。しかも、このクラスの男子はみんなファンなのだ。
それくらい花恋はモテる。
女子の私から見ても可愛いと思う。
「おはよー!今日もブスだね笑」と花恋に返された。
ここでイラっときても逆らわない。
というか、逆らえない。
なぜかというと、クラスの男子の3分の2を逆らった途端に敵に回すことになるから。
だから私は無理して笑顔を作って、「ブスやろ笑」と返す。
そりゃ、私だって一応女子だから、ブスとか言われるのは嫌だ。
でも、所詮この世界は顔。
だから、笑顔でそう答える。