―「いらっしゃい!君達で最後だよ。パスポート、見せてくれる?」


アタシは気が付くと、魔法堂の中に居た。色々と考え事をしたせいか、ここに来るまでの記憶が無かった。きっと、賢也の話にも、空返事ばかりしていたのだろう。


「ジェームスさん…」


アタシは震える声でジェームスさんを呼んだ。


「大丈夫」


ジェームスさんは、そんなアタシの頭をポン、と叩いてから、店の中心に行った。