でも…。


「なんか、雰囲気が林檎に似てます!林檎もこんな感じなんです!」

「そう、なんだ…」


ジェームスさんは少し、動揺しているようだった。


「用は、それだけかい?」

「え…?あ、はい」

「じゃ、もう帰った方がいいよ?暗くなってきたし」

「分かりました。じゃあ、また今度」

「うん。次に会うのは、パーティーの日だね」

「はい。今日はありがとうございました」

「うん」

「賢也、行こう?」


アタシは賢也を椅子から立たせた。
ジェームスさんとエレナさんに挨拶をして、アタシ達は店を出た。

これから起こる、本当の恐怖を知らずに…。