『案外、すんなりいったなぁ…。』


アタシが一人で驚いていると、林檎がくるりと振り返り、叫んだ。


「珠璃…、気をつけてね!」


それだけ言うと、階段を駆け降りて行った。そしてアタシは賢也とのんきに歩き出した。

林檎が言った言葉、『気をつけてね』の本当の意味も解らずに…。