その夜、アタシは賢也に電話した。
ツーコールで、賢也の声がした。


「もしもし、賢也?」

「俺以外誰だってんだよ」

「…そうだね」

「どうした?」

「…手紙、届いてた?」

「…ああ」

「賢也は行くの?」

「行かなきゃダメだろ。行かなきゃ最期って…」

「もし行かなかったら…?」

「…殺されるかもな」

「…」


しばらく沈黙が続いた。