「本当に、お別れだね…。」
「…グスッ…。ジェームスさぁん…!」
アタシは泣きながら、ジェームスさんに抱き着いた。
「珠璃、泣かないで。きっとまた、どこかで会えるよ。」
「本当に…?」
「うん。ほら、行きな…?」
ジェームスさんがアタシの背中を押した。
「…さようなら!」
アタシはドアが閉まる前に振り返り、最後に大きく叫んだ。
ジェームスさんはアタシに向かって、微笑んでくれた。

町の様子は、アタシ達が行く前と、変わりはなかった。
「久しぶりだな…。」
「ね。」
「行こう。帰ろう。家に…。」
「うんっ…!」
アタシと賢也は駆け出した。