「ジェームスさん、ごめんなさい。やっぱり、アタシにはまだ、全てを捨てる勇気はないです。」
アタシはジェームスに向き合い、言った。
「……そっか。残念だけど…。まだ１４歳だもんね。ごめんね、無理言って。」
「そんなっ…。」
「珠璃達に会えて、よかった。ありがとう。」
「お礼を言うのはこっちです！アタシも、ジェームスさんやエレナさんや、ダニエルに会えて、よかったです。」
「こうやって会えたのも、何かの縁だね。きっと…。」
「…はい。」
「あまり、長く居ると、名残惜しくなるね。ここらで、お別れしようか。」
「あのっ…！」
アタシは、携帯を取り出し、撮影モードにした。
「写真、撮りませんか？最後の思い出に…。」
「いいね。撮ろう。」
アタシは、それを聞くと、セルフタイマーにして、棚に置いた。
「ダニエル、もっと寄ってー。」
「珠璃、早く！」

―ピピピピピ…

―カシャッ……