「珠璃達に、全てを捨てる覚悟はある?」
「へ?それって、つまり…?」
「ここで働いてほしいんだ。」
アタシ達の間に沈黙が走る。
「人手が足らないし、どうしても二十歳以下の人間のアイディアが要るんだ。」
「珠璃、ちょっといいか。」
話の途中で、賢也がアタシの腕を掴んで、店の端に連れていった。
「どうすんだ?」
「………迷ってる。」
「迷っ…?!なんでだよ?」
「…嫌だよ?全部、捨てるのは。」
「じゃあなんっ…!」
「助けたいの。ジェームスさんを。出来る事があるなら。」
「奴の為なら全て捨てれる、ってか…?」
「そういう訳じゃな…!」
「ふざけんな!」
いきなり怒鳴った賢也に、アタシの体は少し震えた。