―ガチャッ!

「あら、おかえり」


お母さんが、キッチンから顔を覗かせながら言った。夕飯らしき、いい匂いがした。


「ただいま…」

「どうしたの?元気ないし、顔色悪いわよ?」

「大丈夫っ…!心配しないで…」


アタシはそう言って、自分の部屋のドアノブに手を伸ばす。が、手を止めた。