「林檎…じゃないでしょ…。」
「『林檎』ナンテ偽リノ名ダ。」
林檎は、本当におもちゃのようだった。
口だけが動いていて、顔は無表情だった。
「偽りの名…?じゃあ、本当の名前は何?」
「私ノ本当ノ名ナド忘レタ。」
「え?」
「タクサンノ『偽リノ名』ヲ使ッテイルカラ。」
「どういう意味?」
「ソノママダ。『林檎』モソノ中ノ一ツデシカナイ。」
「…本当は知ってるんでしょ。忘れたなんて嘘。教えてよ。」
「…ナカナカ鋭イ娘ダ。イイダロウ。私の本当の名は…。」
アタシは生唾を飲み込んだ。










「『エイミー』ダ。」