「なっ…?!」
「それ本当?」
ジェームスさんが話に割って入ってきた。
アタシは静かに頷いた。
「どこだった?」
「分からないです…。ただ、広くて、真っ暗で…。少なくとも、一階のホールや、この部屋ではないです。」
「広くて暗い…か。」
「何か分かりますか?」
「いや…。ここに、そんな所はたくさんあるからね…。」
「そうですか…。」
「なぁ…。俺はどうすればいいんだ…?」
賢也は、今まで聞いた事のないような、弱々しい声を出した。
「とにかく、珠璃から離れないで。常に、珠璃か僕と一緒にいて。」
「そんな事で助かりますか?」
「分からない…。でも何もしないよりはマシだと思うよ。」
「アタシが止める。」
「え?」
「アタシがあの子を止める。」