アタシは見逃さなかった。
賢也がドアを開けた瞬間、白いワンピースの裾が宙を舞って消えた事。
おそらくあれは、あの子の服。





「珠璃?どうかした?」
「いえ…。何でもないです…。」
「そういえば、珠璃。夢は見てないの?」
「…見てないです。」
アタシは珍しく、夢を見なかった。
「そう。じゃあ、和樹の事はとりあえずは安心だね。」
「…はい。」





アタシは決意した。

あの子と戦う事を。

もう犠牲は出したくない。

次に現れたらその時は

その時こそは

正体を暴いて見せる…!