「珠璃…。まずは落ち着け。な？」
「無理だよっ…！和樹が危ないのに…！和樹がいつ殺されるか分からないのに…！」
「何か助かる方法はあるって…。」
「……その保証はあるの？」
「え？」
俺は思わず、聞き返してしまった。
「助かる方法が見つかる保証はあるの？」
「…ない…けど…。」
「けど？」
「マイナス思考でいるより、プラス思考でいてぇじゃん。何事も。」
「…。」
「例えばさ、部活で先輩が他校の生徒と試合をしてるとするだろ？」
珠璃が静かに頷く。
「で、珠璃の先輩が追い詰められてて、勝てそうにないってなるとする。珠璃ならどう思う？」
「どうって…？」
「９９％で向こうが勝って、こっちには、１％しか勝つ確率がないんだ。」
「先輩に勝ってほしいから…、その１％に…かけてみる…。」
「だろ？今と一緒じゃねぇか。見つかる確率は１％。たった１％でも、かけてみたいって思わねぇか？」
「思…う。」
珠璃が力無い声で答えた。