「きゃあ!早くどいてっ!」
「分かってるよ!」
賢也がどこうとした時…。
―ガチャッ!
「んだよ、朝っぱらからうるせーな。」
「どうしたの?何かあった?」
アタシ達の騒ぎを聞き付けてジェームスさんとダニエルが、部屋のドアを開けて、こっちを見ていた。
「賢也っ…?!何…やってんだよ…?!」
ダニエルがアタシの上に居る賢也に向かって言った。
「何もしてねぇよ。」
「じゃあ、その体制は何だよ?!」
「事故だって。」
「意味分かんねぇ…!」
ダニエルはそう言って、アタシ達に近付き、アタシと賢也を引き離した。
「本当の事言ってみろよ?」
「だから事故だっつってんだろ?!」
ダニエルは賢也の胸倉を掴んでいた。二人の間の空気はものすごくピリピリしていた。
「…大丈夫?」
そのかんに、ジェームスさんはアタシの所に来て、声をかけてくれた。
「はい…。」
「本当に事故なの?」
「はい。」
「ダニエル!本当に事故らしいよ。珠璃もそう言ってる。」
「だっ…、ダニエル?本当に事故だってば…!」
「…本当か?」
「うん!」
「はぁ…。」
ダニエルはため息を一つつくと、賢也を離した。