会話の間にちらりと見ていたベットの中で寝ている人。和樹だった。

ああ、あの時感じていた胸騒ぎはこの事だったのか。

一人で納得して、まだ暗闇の中に居たアタシを彼の声が現実へと導いた。





「珠璃。」
「賢也ぁ…。おはよぉ…。」
「…おはよ。」
「何ぃ？どうかしたぁ？」
「お前、汗やべぇぞ？」
「え？嘘ぉ…？」
アタシは手で額を触った。額は水をぶっかけたかのように濡れていた。
「ぅわあ！びちゃびちゃ！」
「…また見たのか？大分、うなされてたみてぇだし。」
「うん、和樹だった。でもまだ殺されてないよ？和樹には注意が必要だよ。一人になったら、そして、アタシが見たら、おしまいだから。」
「そうか。」