「この紙に名前書いてくれる?」


ジェームスさんは、テーブルに置いた紙を指差しながら言った。


「珠璃、書いて大丈夫なのか?」

「分かんない…。でも、アタシは書いたよ」

「珠璃が書いたんだったら…」


賢也は、ジェームスさんが差し出した紙に、『渡辺賢也』と名前を書いた。