―ガチャッ!
「賢也っ!何してたの?」
アタシは賢也が部屋に入ると、わざとらしく聞いた。
「いや…、別に。」
『あれ?賢也って以外と鈍感?…ん?』
「ねぇ、賢也。」
「あ?」
「ソレ、何?」
アタシは賢也が左手ににぎりしめていたモノを指差した。
「ソレって…?あっ!!」
賢也は急いで左手をズボンのポケットにしまった。
「何なの?」
「いや…。何でもねぇよ…。」
「教えてよ~!気になるじゃん!」
「何の事?…ああ。あのチェーン?ジュノの首輪に付けてたアクセサリーだよ。賢也拾ってくれてたんだね。ありがとう。」
いきなりジェームスさんが割り込んで来たかと思うと、賢也のポケットからチェーンを取り出した。