「そうだ、ジェームスさん。」
「何?」
「夢…、見たんですけど…。」
「…誰だった?」
賢也と同じ質問をした。
「いえ、人は殺されてなかったんですけど…。」
「?」
「女の子が…、アタシと同じ位の背丈の女の子が居て…。自分は血のような赤だって…。」
「血のような赤?」
「はい…。何だと思いますか…?」
「う~ん…。」
ジェームスさんはしばらく黙り込んでしまった。
「ジェームスさ…?」
「賢也。」
ジェームスさんがアタシの言葉を遮った。
「何ですか?」
いきなり呼ばれた賢也は少し困っていた。
「ちょっと。」
「え?はい…。」
ジェームスさんが賢也の腕を掴んで部屋を出て行った。
「ちょっ…!」
―バタン…。
ドアが静かに閉まる音が、アタシだけになった部屋に虚しく響いた。