「ダメッ!」
アタシは跳び起きた。
「珠璃?どうした?」
隣には賢也。
「へ?夢…?」
「何言ってんだよ?起きてただろ。」
「起きててないよ…?アタシ、寝てた…。」
「目ぇ開いてたし。」

『どういう事…?!』

「あ…。葉奈っ…!」
アタシは葉奈の胸に耳を当てた。

―ドクン…。ドクン…。ドクン…。

「まだ生きてる…。」
「どういう事だよ?」
賢也が眉間にシワを寄せながら、アタシに聞いた。
「夢の中で葉奈が死んだの…。」
「夢って…。珠璃起きてただろ?」
「でもっ…!夢を見たの…。葉奈の心臓の音が止まってっ…!」
「止まって?」
賢也が不思議そうな顔をしながらアタシに聞いた。
「…『音が拒絶されて』。」
「?」
「『目に飛び込んでくる物』。」
「…。」
「『葉奈の死体』。」
「なっ?!」