「呼ばないで!!」
「珠璃?!」
誰かがアタシの肩を掴んだ。
「珠璃!しっかりしろ!」
―パチッ!
「ハァッ…。ハァッ…。ハァッ…。夢…?!」
「珠璃っ…!」
「賢…也…?」
「はぁぁ…。倒れるの何回目だよ…?心配させんな…。」
「賢也っ…!」
アタシは賢也に抱き着いた。
「珠璃っ?!何やってんだよ?!」
「賢也…。誰かが…アタシを呼んでた…。」
「は?」
「部屋で聞いた声と同じで…。名前、聞いたけど聞こえなくて。アタシのよく知ってる人だって!ねぇ、賢也!!誰だと思う?!」
「待て待て。いきなり話されても分からねぇって。落ち着いてから、ちゃんとまとめろ。」
「賢也っ…!」
「大丈夫。ジェームスさんもエレナさんもダニエルも俺もみんな居るから。」
賢也がアタシの頭を撫でながら言った。
「うん…。」