「珠璃！」
アタシが部屋に戻ると、賢也がアタシを呼び止めた。
「あのダニエルって奴に、何かされなかったか？」
「何かって？」
「ほらっ…。アイツ、人殺しだろ？」
「別に何もされなかっ…。あ。」
「何だ？何かされたのか？！」

『キスされそうになった』
―…死んでも言わない！！

「ん、何でもない。」
「そうか…。なんかあったら俺に言えよ？」
「うん！…なんか、賢也変わったね。」
「何が？」
「いろいろ！」
「いろいろって…。」
「なんか、異次元空間に来てから頼もしくなった！向こうの現実世界だったら、アホばっかしてたもん。」
「アホばっかって何だよ。」
「とにかく、頼れるようになった！いろいろと…ね。」
「だから、いろいろって何だよ？！」
「いろいろはいろいろなの！」
「はぁー…。珠璃と話してたら疲れる。」
「なっ…！う、うるさい！」
「お前が１番うるせーんだよ、泣き虫。」
「へ？」