「…家に行った時、本当に人殺しなの―って思いました。」
「え?」
「ココアを出してくれた時、アタシ、毒が入ってるんじゃないかって疑ったんです。そしたら、ココアを一口飲んで、入れてないって証明したんです。」
「…。」
「……ダニエルのお父さんの話を聞いていた時。ダニエル、柄にも無く、泣いたんです。ダニエルの涙はすごくキラキラしていて。人殺しの涙って思えなかった。ダニエルって、本当はすごく繊細で、壊れやすいのかなって思っ…。」
「おい、コラ。人の事、人殺し人殺しって連発してんじゃねーよ。」
不意に後ろから声がした。
「ダニエル!聞いてたの?!」
「ああ。バッチリ♪」
「どこから?」
「…家に行った時、ほんと…!」
「ああー!!言わなくていい!恥ずかしいから!」
「てめぇが言えっつったんだろ。」
「そうだけど~…!」
アタシはプクーっと頬を膨らました。
「…可愛くねぇ。」
「うるさいっ!可愛く思ってもらおうなんてこれっぽっちも思ってません~っだ!」
「…可愛い。」
「へ?」
「うっそ~!」
「…ダニエルッ!」
「分かったって!早く部屋に連れていけ!」