「珠璃…？！」
ダニエルが少し戸惑っている。
「ダニエル、ありがとう。正直、人殺しのあなたは憎い。でもね…、ダニエルが森でアタシを見つけてくれたから、今、アタシはジェームスさんと会えて、帰れるの。本当にありがとう。」
「…おう。」
「もう…、人は殺さないで？ダニエルがジェームスさんの周りの人を殺す理由は分かった。『復讐』って言ったよね…？そんなの、何の意味もないよ？どこかで、ダニエルが殺した人の死を悲しむ人が居る。ダニエルだって、お父さんが死んで…、殺されて、悲しかったでしょ？それと同じ思いをする人がたくさん居るの。それも、何十人…、いや、何百人も居る。『復讐』とか、そんなの関係ない。ダニエルがしてきた事は全て意味無いの。ダニエルが今までしてきた事は、ただ悲しみを増やすだけ…。」
「ちょっと待て。なんか、俺がすげぇ人数殺したみてぇになってねぇか…？」
「え？だってそうでしょ？」
「俺が殺したのは、千尋ってヤツと、誠也ってヤツだけだけど。」