「…何?」
「どこ行く気だ?」
「どこって…、帰るの。」
「どこに?」
「ジェームスさんの所。」
「道知ってんの?」
「え?あ…。」
そうだ。迷ったんだった。
「なっ…、なんとか行けるっしょ!アタシ結構勘当たるし?なんか、霊感あるみたいだし?」
「ここ、俺以外の奴は霊能力使えないようにしてあるんだけど?勿論、勘も。」
ダニエルは、ピースをして、ただポカンと口を開けるアタシに向かって、ニカッと笑った。
「嘘ぉ…!」
「嘘。」
「えっ?本当?!」
「嘘。」
「どっち?」
「使えないけど。」
「本当に?!」
「ああ。」
「どうしよう…?」
「んじゃ、俺家に戻るから。あんま遅くなったらソフィーが怒るから。」
「え~…?」
アタシはチラッとダニエルを見た。
「んだよ。連れて行けってか?」
「うん!」
「ったく。しゃーねーな。」
「ありがとー!」
「ほら、掴まれ。」
ダニエルがアタシに腕を掴むように促した。
「うん♪…あっ…!」
すっかり忘れてた。コイツは人殺し…!
「んだよ。……大丈夫だって。何にもしねぇよ。」
「本当に?」
「ったりめーだよ。ほら、行くぞ。」
「あ!待って…!」
アタシはダニエルに掴まった。